<現在の考え方と取組について>
Q.どのような観点で性教育を実施しているのか
A.各学校において学習指導要領に基づき、発達段階に応じた全体計画をもとに、保健体育科や理科、道徳科、特別活動など、学校教育活動全体を通じて系統的・継続的に実施。まずはこの全体計画に基づく指導を着実に実施していくことが重要であると考えている。その上で、児童生徒の発達段階や実態を踏まえ、特に重点的な指導が必要だと判断した学年については、外部講師による出前授業を活用するなど、指導の充実に努めている。
Q.子どもたちが置かれている環境についての認識と、性教育はどうあるべきだと考えているのか。
A.近年のインターネットやSNSの普及などにより、子どもたちが不正確な情報に触れる機会も増えており、社会環境の変化を考慮すると、性教育の重要性はより増していると認識している。性教育は単に生殖に関する知識の習得にとどまらず、人権教育の一環として、他者を尊重し、対等な人間関係を築くための基礎となるものであり、子どもたちの実態や保護者のニーズを踏まえ、発達段階に応じた系統的な指導が必要だと考えている。
Q.学校現場における性教育へのニーズや課題については。
A.スマートフォンの所持率が低年齢化している現状において、児童生徒が性に関する不適切な情報に触れたり、トラブルに巻き込まれたりする可能性が高まっていることから、性教育の必要性はこれまで以上に高まっていると受け止めている。一方で、指導内容が多岐にわたる中で、教職員の専門性の向上や指導力の充実、さらには家庭との連携強化が課題であると認識している。
Q.本市の「はどめ規定」に対する認識や取り扱いは。
A.学習指導要領は、全国のどの学校でも一定水準の教育が保障されるように学習内容が示されたものであり、「はどめ規定」については、その趣旨として、学習指導要領に示された内容を踏まえ、指導が過度に逸脱することがないような範囲を明確にするためのものと認識。これは指導内容の最低基準を定めたものであると捉えている。
Q.学習指導要領以上の内容である「性交で妊娠すること」「避妊」を学ばす性交同意年齢に達してしまうことは問題があると感じるが、本市の見解は。
A.「性交により妊娠が成立すること」や「避妊」に関する正しい知識は、子どもたちが自らの心身を守り、将来にわたり責任ある判断を行うためにも重要な内容であると認識している。児童生徒の実態に応じた適切な指導の必要性を感じている。
Q.学校現場から学習指導要領以上の内容を教える場合の対応と、実際の実施状況は。
A.学習指導要領の内容を過度に逸脱して指導することは適切ではないが、学校や地域の実態、児童生徒の発達段階、保護者のニーズ等を踏まえ、教育的必要性があると学校が判断した場合には、学校全体で共通理解を図り、保護者の理解を得るなど、国が示す留意点を踏まえた上で実施している。今年度の実施は小中学校11校。
Q.学習指導要領以上の内容を教えることについて、現場における課題は。
A.性教育についてどの範囲まで、どの程度取り扱うかを慎重に整理する必要があること。また、性に関する内容は家庭における価値観や考え方とも深くかかわることから、保護者の理解を得ながら丁寧に進めていくことが求められているほか、正確な知識を適切に指導するための教職員の研修体制の充実も課題。
Q.外部講師を活用した出前授業の学年ごとの具体的な内容についてと、協議プロセス、また学習指導要領以上の内容が含まれる場合の現在の対応は。
A.画一的に定めるのではなく、各学校の実態や児童生徒の発達段階を踏まえて設定、内容の決定については、学校と外部講師が事前に十分な協議を行い、目的や指導内容を整理し、発展的内容を取り扱う場合には、学校内での共通理解を図るとともに、必要に応じて保護者の説明を行うなど、慎重に対応している。
具体的な学習内容としては「SNSにおける性被害」や「性行為」「避妊」「性感染症」など。
<性的同意について>
Q.性的同意を学ぶことの意義についての認識は。
A.文科省の「生命の安全教育に関する指導の手引き」等をかつようしプライベートゾーンや「嫌なことは嫌と言う」ことの大切さについて指導しているが、「性的同意」を学ぶことについては、子どもたちが自分自身と他者を尊重し、性暴力から身を守るために必要かつ重要な知識であると認識。
Q.本市が用いている「生命と安全教育に関する指導の手引き」が3月下旬に見直され、新たに「性的同意」を明記する方針であると報道があったが、来年度からどのように取り組んでいくのか。
A.引き続き性教育に関する全体指導計画に基づき、保健の授業を中心に、理科や道徳科など、学校教育活動全体を通じて、性に関する正しい知識の習得と適切な判断力の育成に努めるとともに、必要に応じて関係部局や外務専門機関とも連携を図りながら、児童生徒が自他を尊重し、安心して学び、健やかに成長できる環境づくりに努める。
<再質問>
本質問の答弁をまとめると
「はどめ規定」はあくまでも指導内容の最低基準。性教育の必要性はこれまで以上に高まっており、性交により妊娠が成立することや避妊、性的同意を学ぶことも重要で、人権教育の一環として発達段階に応じた系統的な指導が必要である。
ただ、どの範囲までどの程度取り扱うか、慎重に整理する必要があり、過度に逸脱して指導することは適切ではないこと。
専門性の向上と指導力の充実が必要なため、教職員の研修体制の充実が必要。
保護者の理解が必要であること。でありました。
Q.いままでの答弁から市としては包括的性教育の必要性を認めていると感じられるが、見解は。
A.包括的性教育については、こどもを取り巻く環境の変化を踏まえ、その必要性が一層高まっていると受け止めている。
Q.発展的内容を教える際のプロセスが多い。保護者への理解については、包括的性教育によって自発的に性行為を遅らせたり、慎重になることが科学的に証明されていることからも、学校単位ではなく、市として必要性をわかってもらえる工夫をすべきでは。
A.関係部署と連携を図るとともに、学校で実施している出前授業に保護者が参加できる機会を設けるなど、理解促進に努める。
Q.教える範囲については、ユネスコの国際セクシュアリティ教育ガイダンスに基づくなど、外部講師の活用も視野にいれた、小中一体となった体系的なカリキュラムを構築していくことが必要では。合わせて研修の充実についての具体的な考えは。
A.国際セクシャリティ教育ガイダンスも、性教育の在り方を考えるうえで参考になる資料の1つであると考えている。今後については、小中学校の連携を図りながら、外部講師の活用も含め、児童生徒の発達段階に応じた継続的な指導の在り方について検討する。
また、教職員の研修については、性に関する正しい知識や児童生徒の発達段階に応じた指導補法についても理解を深めることが重要であることから、外部の専門機関の知見も参考にしながら、研修の充実に努める。
<再々質問>
Q.「こどもを取り巻く環境の変化を踏まえ、包括的性教育の必要性が一層高まっている」という答弁であ、包括的性教育についての理解と認識が非常に高い状態であることはわかった。そこで、市としてこどもの発達段階に合った包括的性教育を前向きに進めていく考えと受け止めてよいのか。
A.重要性は認識している。今後、各学校が児童生徒や地域の実態に応じて主体的に取り組みを推進してけるよう、必要な情報提供などを通じて支援する。
「市として包括的性教育を進める」ということを宣言することを求めましたが、そこまでは答弁はいただけませんでした。市の宣言は市の姿勢を明確にすることであり、昨今のいじめ問題や教職員による盗撮事件などを考慮しても、必要なことだと私は思います。
市は包括的性教育の必要性を認識しているのだから、学校現場がより取組やすくなるように、保護者理解や系統的なカリキュラムの構築など、積極的に進めていただきたい。
